成果に対しての報酬のみ
仕事をする上において、必ずしも時間通りに順調に進むとは限りません。残業や打ち合わせに時間がかかるなど、様々なイレギュラーが起こることはしょっちゅうあるものです。ですが、偽装請負契約の場合はそういったイレギュラーは考慮されません。クライアントは成果物に対してのみに報酬を支払うのでいくら時間がかかったかは一切考慮されません。つまり仕事をすればするほどに大損をする可能性が否めないのです。
これでは長時間拘束されたとしても直接雇われたほうがマシです。しかもせっかく仕事が終わったと思ったら、後になってからやり直してほしいなどと言われたら肉体的および精神的疲労感から生活自体に支障をきたすことになります。時間の自由がほしいからフリーランスに転向する人が多いのにこれでは意味がありません。
給料アップが見込めない
通常の働き方の場合は、働いた時間に対して給料アップなどをしてくれることがあります。場合によっては出世など精神的なやりがいを提供してくれることもあります。ですが偽装請負契約の場合は、目に見えない努力が評価されにくいためずっと薄給のままで何も変化が起きずに終わることが多くあります。
労災保証がされにくい
労災といえば仕事中に事故等が起こった場合に労働者を救済するものです。労働者が負傷した場合、本来ならば仕事を託した側と請け負った側が労働監督署長に事故等の詳細を報告する義務があります。ところが、偽装請負契約の場合はそれができません。なぜなら偽装請負契約は違法なため、報告をするとすべてが明るみになってしまうからです。
労働をした側にも罪があるため、労働者は自分が負傷をしてもそのことを誰にも言えずに泣き寝入りをしてしまう場合が多いです。ただの負傷の場合はまだそれで良いかもしれませんが、障害などが発生した場合は仕事をすること自体に支障が出るので一生を棒に振りかねません。このように偽造請負契約は、労働者にとって多くのリスクを内包しているのです。けがも病気もしない人間というのは存在しないので、後々のことを考えても偽装請負契約はするべきではありません。