業務委託契約の法的位置づけとは

業務委託契約の法的位置づけとは

フリーランスとして独立するとクライアントや取引先などから業務委託契約をお願いされるといった場面に出くわすことが少なくはありません。フリーランスとして働く場合、こうした契約の理解が非常に重要となってきます。業務委託契約の概要について、ここでは法律面からチェックしていきましょう。

「契約」とはどのようなものか?

日常生活を送る上で、この「契約」という言葉が使われることは少なくなく様々なシーンで使われています。例えば、アパートを借りるシーンで考えてみましょう。アパートを借りるには賃貸契約が必要なのはもちろんですが、水道、電気、ガスなどの光熱費に関する契約やインターネット回線などにも契約は必要になります。そもそもこの「契約」とはどのようなことを指すのでしょうか。法律といった観点からすると「契約というのは何かをする約束を相手とした」ということになり、意味自体は口約束となんら変わりがありません。しかし、口約束は約束を守らなかったとしてもそれほど問題にならないのに対して、契約というのは約束よりもハードルの高い条件となるのが一般的です。
では、口約束は書面がないから契約にならず、、契約書のあるもののみが契約になるのでしょうか?法律面からみれば、契約は口約束でも成立すると定められています。よって、契約自体は相手との双方間の合意で成立するのです。契約書を作るのは相手との意思や話の行き違いを避けるための手段であり、契約内容の重要度とは関係がありませんが、法律上で契約を取り交わした場合は、法律の拘束を受けることにもつながります。こうした法律上での契約を守らなかった場合は、その法律範囲内で補償や弁済、罰則等を受けることにも結びついていきます。

法律面からの「業務委託契約」とは?

業務委託契約は、まるで法律上の規定があるかのような錯覚を受けますが、業務委託といった法律要綱は実はないのです。

「業務委託契約」という言葉を聞くと、何やら法律で決まっている用語のように感じますが、「業務委託」という言葉は民法の条文に存在しません。

https://99designs.jp/から引用しました。

全文を読みたい方は公式サイトまで

こちらのサイトは業務委託契約の内容や注意点なども分かりやすく説明されているフリーランスデザイナーの案件サイトです。

では、業務委託契約は法律的には無効なのかというとそうではありません。法律上のいくつかの契約を組み合わせたものがこの業務委託契約として利用されているからです。このように、複数の契約を一括して扱えること、それから、法律上の規制がなく中身を自由に決められることが取り引き上で好んで使われている所以といえるでしょう。
実際、フリーランスや独立を行なった際に利用されている業務委託契約というのは、法律的には請負や委任といった形になっており、その両方を組み合わせた状態でものによって譲渡という形が混ざったものにもなっています。ですので例えば、契約書の内容が請負になっているのであれば、業務委託契約書といっても請負契約の扱いになってしまうため契約の際は注意が必要です。

法律に興味のある方へ

  • 不利な偽装請負契約について
    フリーランスで働く人は、偽造請負契約は労働者にとって大きなリスクがある働き方だということを理解しましょう。フリーランスという働き方は自分で働く時間や仕事を選択できる有益な働き方といえます。しかし、偽造請負契約のような不利な契約をさせられてしまう可能性があることも知っておくべきです。フリーランスは、企業にとって都合のいい労働者ではなく、職業選択の自由であり正当に評価されるべきなのです。これからフリーランスになろうとする人も、こうしたリスクについては予め理解しておいて頂きたいと思います。 more
  • 業務委託契約の法的位置づけとは
    もし、契約内容が遵守されなかった場合は、補償や罰則等が必要になることもあります。企業との話の行き違いをなくすためにも契約書をきちんと作成しておくことが大切です。とはいえ、書類の有無が契約自体を左右するものではないということも重要なポイントです。たとえ口約束だとしても契約として成り立つ場合があります。また、業務委託契約は業務委託といった法律が存在するわけではなく、複数の契約を合わせたものが業務委託契約として利用されているという点も重要なポイントです。 more
  • 請負契約と委任契約の違いとは
    「業務委託契約書」はビジネス取引において頻繁に使われますが、便宜上、契約名称を「業務委託」としているだけであり、法律上は業務委託という言葉の規定がありません。では業務委託契約は無効なのかといえば当然そんなことはなく、契約書の名称が何であれ、契約書に書かれている内容に基づいてどういう契約なのかが判断されます。業務委託契約書を読む際は「請負」と「委任」の違いとそれぞれの特徴などをしっかりと理解しておくと良いでしょう。 more

もっと知りたい方はこちら

  • 少額訴訟は簡単にできる
    万が一、料金の未払いトラブルに遭遇した場合は、少額訴訟の申し立てを検討しましょう。60万円以下のトラブルなら少額訴訟の申し立てを行うことが出来ます。少額訴訟は60万円以下の金額が対象で、一日で審理が終わり、弁護士などに頼むことなく、自身で訴状の作成、申し立てをすることが可能です。費用は安く、10,000円程度です。強制執行を行うことも出来、費用は8,000円程度です。申し立てから判決(和解)までは2ヶ月程度で終了します。 more
  • 専門家に相談しよう
    業務委託契約は、多くのフリーランスや独立された方々がクライアント間で取り交わしている契約です。そもそも、この「業務委託」には法律で直接的に管理する定義がなく、トラブルの元になることが多々あります。もしもトラブルに遭遇し誰かに相談したい場合は、行政書士や司法書士といった専門家の方々に相談を持ちかけるのが良いでしょう。また、各自治体や大学などでも無料法律相談会などがあるため、積極的に活用されることをおすすめします。 more
  • 二重派遣は不正に搾取される
    業務委託契約において違法性の強いトラブルが「二重派遣」の可能性です。意図的な二重派遣は酌量の余地もありませんが、気をつけなければならないのは「無知・無意識による違法」のリスクです。業務委託のつもりで締結していた契約やビジネス取引が、実は二重派遣に該当しているという例は少なくありません。これを避けるためには、「二重派遣とは何か?」ということを正しく理解することが大切です。二重派遣は労働派遣法など3つの法律に違反する行為で、罰則規定が設けられています。 more