働くコストを考えて契約を結ぶ
業務委託の流れを簡単にまとめると、「クライアントへの仕事の提案、または見積もり」「条件の交渉と契約の締結」「実際の作業と報酬の受け取り」となります。フリーランスとして最も重要なのはもちろん「実際の作業」ですが、どれほど良い仕事をしてもそのコストを上回る報酬がもらえなければ生活は成り立ちません。つまり、「仕事に見合った報酬をもらえるような契約を結ぶ」こともとても大切なのです。
業務委託は、まずクライアント(あなたに仕事を頼む側)に仕事を提案する、あるいは依頼された仕事の見積もりを出すことから始まります。この時、ほとんど実績が無い仕事に対して最初から高額の報酬を求めたり、他のフリーランスに負けないよう極端に短い期限を設定したりといったことは避け、現実的な数字を提示しましょう。やがてあなたの能力が認められ、クライアントと信頼関係が築ければ報酬アップや期限を伸ばしてもらうといった交渉もできるようになります。また、初めて取引するクライアントでも過去の仕事内容など具体的に示せる物があれば強力な説得材料になります。話し合いの結果、お互いに納得できる条件が決まったなら「業務委託契約書」を作成して正式に契約を締結します。たとえ悪質なクライアントでなくても、不注意によって事前の話し合いで決まった内容と違うことが書かれている可能性もありますから、契約書の内容はしっかりと確認し、万が一おかしな所があればすぐに訂正してもらいましょう。また、「違法な部分が無いか?」という点にも注意すべきです。
仕事を終えて報酬を得るまで気を抜かない
無事に契約が締結できたなら次はいよいよ実際の仕事に取りかかります。業務委託には一定時間の作業を求める「委任契約」と何かの完成を求める「請負契約」がありますが、どちらの場合も全体の流れは変わりません。仕事が終われば、それをクライアントに確認してもらい(請負契約の場合は、必要なら修正などの作業を行ってから)報酬を受け取ることになります。この一連の流れは、慣れてくるとまさに「流れ作業」になりがちですが、毎回報酬をきちんと受け取るまで気を抜かず注意深く行えるようにしましょう。